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フラプッチ~のダイビング日記。

サメとエイの新種113種を認定

「新たに認定されたサメやエイの半数近くはオーストラリア近海でのみ確認されており、この近辺のサメやエイの種類は今回の認定によって3割以上も増えることになった」
のだそうです。
ニュースソース
お偉い先生方とかは図鑑の改定とかで忙しくなるかも?!



DNA解析の結果、113種に及ぶサメやエイが新種であることが明らかになった。細身のノコギリザメの仲間や、フリスビーを飲み込んだような形のナヌカザメの仲間、ガンジスメジロザメの1種などが新種として認定されたという。

サメとエイの新種113種を認定

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 新たに認定されたサメやエイの半数近くはオーストラリア近海でのみ確認されており、この近辺のサメやエイの種類は今回の認定によって3割以上も増えることになった。この中には、他のサメの胃の中からしか見つかったことのなかった非常に珍しいクラカケザメ科の新種も含まれている。今回新種とされたサメやエイの一部は、既に絶滅の危機に瀕しているという。

 今回の調査では、オーストラリアやニュージーランド、そしてヨーロッパの博物館に既に所蔵されていたが科学的調査がなされていなかった種を対象に、1年半をかけてDNA分析が行われた。

 調査対象には、一見すると非常に似通っていて生息地まで同じのものもあったため、分類作業は困難を極めたという。研究主体となったオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)のプロジェクトリーダーで魚類分類学者のピーター・ラスト氏は、「同じ海域で一緒に泳いでいる種も非常に多く、これまでの定義も詳細に欠けていたので、それほど役に立たなかった」と振り返る。

 だが、このような分類しにくい種もDNA分析にかけた結果、目に見えない差異がはっきりと区別された。同氏によると「これまで1種と思われていたサメが、5種にも分かれていたようなケースもあった」という。こうして“隠れていた”種の中には、ガンギエイの仲間のように、国際自然保護連合によって絶滅危惧IB類(絶滅危機)に指定されている種もあった。

 このガンギエイの1種は、オーストラリアのタスマニア島にある3つの小川の河口沖で確認されているが、なんと地球の反対側の南アメリカ大陸南部に生息する種に非常に近いことが分かったという。

 オーストラリア大陸と南アメリカ大陸は、約1億6000万年前にゴンドワナ大陸という1つの超大陸から分離している。「おそらくは、かつてゴンドワナ大陸沿岸部に生息していた1つの種が、大陸の移動に従ってオーストラリア大陸沿岸部と南アメリカ大陸沿岸部に分かれたのではないか」と同氏は推測している。

 今回認定された新種の大部分は、オーストラリア近海にある非常に細長い大陸棚に生息しているが、この大陸棚はトロール漁船の航路にあたるため、乱獲の危険にさらされている。

「完全に調査されないうちに乱獲で絶滅する種も出てくる恐れがある。サメやエイのような食物連鎖の頂点にいる生物を乱獲すると、そのほかの生態系にも深刻な影響を与えかねない。また、われわれは生物を大きな分類としてとらえ、その分類単位で保護しようと考える傾向があるが、同じ分類内でも個々の種には特有の生態があり、それもまた多様性に富んだ貴重な資料なのだ」と同氏は懸念している。

 ニュージーランド国立博物館の学芸員クライブ・ロバーツ氏は次のように語っている。「こうしたサメの仲間は成長が遅く、長寿ではあるが2年に1回程度しか出産しないと考えられるので、あっという間にこの地域から消滅してしまう可能性がある。だが、この海域ではまだ水深3~4メートル付近が調査されたにすぎない。今後、さらに深い領域で多数の新種が発見される可能性も十分にある」。

Photograph courtesy CSIRO
by frappucci | 2008-09-23 23:20 | 海の生き物